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尿路結石って、あの激痛で有名な病気ですよね?実習中に「疝痛発作ってどんな状態?」と急に聞かれても困りますよね?今日はそんな尿路結石について関連図を使って解説します。実習で役立つ知識を一緒に整理していきましょう!
尿路結石ってどんな病気?
尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道などの尿の通り道(尿路)に、結晶化した石のような固まり(結石)ができる病気です。尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・尿酸などの成分が過飽和状態になって結晶化し、徐々に大きくなって結石を形成します。その約90%以上がカルシウムを含む結石(シュウ酸カルシウム結石・リン酸カルシウム結石)です。
結石の約95%は腎臓・尿管にできる「上部尿路結石」で、結石が腎臓内にとどまっている間は無症状のことが多いですが、尿管に落下すると激しい疝痛発作が起こります。日本では男性に多く、30〜50代の働き盛りに好発します。生涯罹患率は男性で約7人に1人とされ、再発率が高い(5年以内に約50%が再発)ことも特徴です。
腎臓・尿管の正常な働きって何?
正常な腎臓の働きは、血液をろ過して老廃物・余分な水分・電解質を取り除き、「尿」を生成することです。腎臓は1日に約150リットルもの血液をろ過し、そのうち約1〜1.5リットルが最終的な尿として排出されます。腎臓で作られた尿は「腎盂」に集められた後、「尿管」という細い管(直径約4〜7mm)を通って膀胱へと運ばれます。
尿管は蠕動運動(ぜんどううんどう)によって尿を膀胱へと押し流しています。膀胱に一定量の尿がたまると尿意を感じ、尿道を通って体外へ排出されます。この一連の流れが正常に機能することで、体内の水分・電解質バランスや血圧・pH(酸塩基平衡)が維持されます。つまり、腎臓と尿路は「体内環境の恒常性を保つための重要な排泄器官」です。
尿路結石になったら腎臓・尿管ってどうなるの?
尿路結石では正常な腎臓・尿管も、様々な要因によって尿路に結石が形成・嵌頓した状態になり尿路結石になります。結石が尿管に落下・嵌頓すると、尿管は結石を押し出そうとして激しい蠕動運動(攣縮)を起こします。この攣縮が「疝痛発作」と呼ばれる激しい痛みの原因です。
同時に、結石が尿の流れを塞ぐことで腎盂内に尿が貯留し(尿路閉塞)、腎盂・腎杯が拡張する「水腎症」が生じます。閉塞が長時間続くと腎臓への血流・機能が低下し、最終的に腎機能障害につながるリスクもあります。また、粘膜が傷ついて「血尿」が出現したり、細菌感染が重なると「腎盂腎炎」へと進展する危険性もあります。
尿路結石になる原因3つを解説!!

尿路結石の原因はいっぱいありますが、関連図で書くことが多い原因を3つに絞って解説します。
【原因①】水分摂取不足(脱水)
水分摂取不足は尿路結石の最も重要な原因の一つです。水分が不足すると尿量が減少し、尿が濃縮されます。尿が濃くなるとカルシウム・シュウ酸・尿酸などの結石成分の濃度が高まり、過飽和状態になって結晶が析出しやすくなります。特に夏場の発汗や、水をあまり飲まない習慣がある人で発症リスクが高まります。
1日の尿量が1,500mL未満になると結石リスクが上昇するとされており、予防には1日2,000mL以上の水分摂取が推奨されます。看護では、患者さんへの水分摂取指導が重要な介入となります。また、尿の色(濃い黄色はリスクサイン)を日常的に確認するよう指導することも有効です。関連図では「水分摂取不足→尿量減少・尿の濃縮→結石成分の過飽和→結晶化→結石形成」という流れで記載できます。
【原因②】偏った食事
食事内容は尿路結石の発症に大きく関与します。シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草・たけのこ・チョコレート・紅茶・コーヒーなど)を過剰に摂取すると、尿中のシュウ酸濃度が上昇し、シュウ酸カルシウム結石ができやすくなります。また、動物性タンパク質(肉・魚)の過剰摂取は尿酸・カルシウムの排泄を増やし、尿をpH低下(酸性化)させて尿酸結石・シュウ酸カルシウム結石のリスクを高めます。
塩分の過剰摂取は尿中カルシウム排泄量を増加させます。プリン体の多い食品(ビール・レバー・白子など)の過剰摂取は尿酸値を上昇させ、尿酸結石の原因となります。関連図では「偏った食事(高シュウ酸・高タンパク・高塩分)→尿中結石成分増加→過飽和状態→結石形成」という流れで書くことができます。
【原因③】尿路感染
尿路感染(特に尿素分解細菌による感染)は、感染性結石(ストルバイト結石・リン酸マグネシウムアンモニウム結石)の原因になります。プロテウス菌・クレブシエラ菌・緑膿菌などの細菌は「ウレアーゼ」という酵素を産生し、尿中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。この反応により尿がアルカリ性に傾き、ストルバイトが析出・結晶化します。
感染性結石は急速に大きくなる特徴があり、腎盂や腎杯全体を埋め尽くす「サンゴ状結石(スタグホーン結石)」に発展することもあります。また、感染と結石が悪循環を形成し、治療が難しくなることも特徴です。関連図では「尿路感染→ウレアーゼ産生→尿アルカリ化→ストルバイト析出→感染性結石形成」という流れで記載できます。
尿路結石でよく出る3つの症状を解説!!
尿路結石の症状はいっぱいありますが、関連図で書くことが多い症状を3つに絞って解説します。
【症状①】激しい側腹部痛(疝痛発作)

疝痛発作(せんつうほっさ)は尿路結石の最も特徴的な症状で、突然始まる激烈な腰背部・側腹部の痛みです。「今まで経験したことがない最大の痛み」「出産より辛い」と表現される患者さんもいるほどの強烈な痛みが特徴です。結石が尿管に嵌頓すると、尿管が収縮(攣縮)と弛緩を繰り返しながら結石を排出しようとします。この攣縮が激しい痛みを引き起こします。
痛みは数十分〜数時間続き、波のように強弱を繰り返します(間欠的疝痛)。結石の位置によって痛みの放散部位が異なり、上部尿管結石では腰背部・側腹部に、下部尿管結石では鼠径部・外陰部・大腿内側に放散することがあります。看護では、バイタルサインの確認とともに鎮痛剤(NSAIDs・オピオイドなど)の投与と効果評価が重要です。
【症状②】血尿

血尿は尿路結石でよく見られる症状で、結石が尿路粘膜を傷つけることで起こります。肉眼的血尿(目で見て赤く見える)の場合もありますが、多くは顕微鏡的血尿(尿検査でのみ確認できる)です。血尿の程度は結石の大きさや位置、粘膜損傷の程度によって異なります。
血尿は尿路結石の重要な診断的所見であり、疝痛発作と血尿が同時に出現した場合は尿路結石が強く疑われます。ただし、血尿は腎がん・膀胱がんなどの重篤な疾患でも起こるため、鑑別が必要です。看護では、尿の性状(色・混濁の有無)を観察・記録し、血尿の増悪がないかモニタリングします。尿を採取して検査に提出することも重要な看護の役割です。
【症状③】悪心・嘔吐

悪心(吐き気)・嘔吐は疝痛発作に伴って出現する消化器症状です。腎臓・尿管は腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)を介して消化管と神経的につながっており、尿路の激しい痛み刺激が迷走神経反射を引き起こし、悪心・嘔吐をもたらします。この現象を「腎腸反射」と呼びます。
悪心・嘔吐が強いと経口での水分・鎮痛剤の摂取が困難になるため、点滴による輸液管理と注射での鎮痛剤投与が必要になります。また、嘔吐が続くと脱水が悪化し、結石形成を促進するという悪循環に陥ることもあります。看護では、悪心・嘔吐の程度を評価し、制吐剤の使用と輸液管理、体位の工夫(安楽な体位の確保)が重要な介入となります。
尿路結石で合併するリスクがある3つの疾患を解説!!
尿路結石でも疾患を合併するリスクがあります。関連図で書く可能性がある合併症を3つに絞って解説します。
【合併症①】水腎症

水腎症とは、結石などの障害物によって尿の流れが妨げられ、腎盂・腎杯に尿が貯留して拡張した状態のことです。尿路結石が尿管を閉塞すると、腎臓で作られた尿が下流に流れなくなり、腎盂内に逆流・貯留します。その結果、腎盂・腎杯が徐々に拡張し、腎実質(腎臓の実質組織)が圧迫されます。
水腎症の程度は超音波検査(エコー)やCTで評価します。軽度の水腎症であれば結石排出後に改善しますが、重度・長期間の閉塞が続くと腎実質が萎縮し、腎機能が不可逆的に低下する危険があります(閉塞性腎症)。看護では、尿量のモニタリングと腹部・腰部の症状変化の観察が重要です。関連図では「尿路閉塞(結石)→尿の流れ停滞→腎盂・腎杯拡張→水腎症→腎機能障害」という流れで記載できます。
【合併症②】尿閉

尿閉とは、膀胱に尿がたまっているにもかかわらず、尿が全く排出できない状態のことです。尿路結石が尿管や尿道の出口近くに嵌頓すると、尿の流れが完全に閉塞されて尿閉をきたします。膀胱や尿道に結石が詰まった場合に特に起こりやすいです。
尿閉では下腹部の膨満感・強い尿意・下腹部痛が出現します。膀胱が過度に拡張すると膀胱壁の血流が低下し、感染リスクも高まります。急性尿閉は泌尿器科的緊急対応が必要で、導尿(カテーテル挿入)による尿の排出が行われます。看護では、排尿の有無・尿量・下腹部膨満の観察が重要です。関連図では「結石による尿路閉塞→尿が排出できない→膀胱過拡張→尿閉→感染リスク上昇」という流れで記載できます。
【合併症③】腎盂腎炎

腎盂腎炎とは、細菌感染が尿路を上行し、腎盂・腎実質にまで波及した感染症です。尿路結石があると、結石表面に細菌が付着・増殖しやすく、また尿の流れが滞ることで細菌が繁殖しやすい環境が整います。特に尿路閉塞を伴う場合は、閉塞より上流の感染尿が腎盂に貯留し、重症化しやすいです。
症状として高熱(38℃以上)・悪寒・腰背部の叩打痛(CVA叩打痛:肋骨脊椎角の疼痛)・全身倦怠感が出現します。重症化すると敗血症に移行するリスクもあり、迅速な対応が必要です。治療は抗菌薬の投与と、閉塞がある場合は緊急の尿路ドレナージ(尿管ステント留置・腎瘻造設)が行われます。看護では体温・バイタルサインのこまめな観察と感染徴候の早期発見が重要です。関連図では「結石による尿路閉塞・細菌付着→上行性感染→腎盂腎炎→敗血症リスク」という流れで記載できます。
尿路結石ってどんな検査をするの?
検査は確定診断のためや、疾患の状態や治療の効果判定、予後、再発の有無、程度など様々な目的で行います。ここではよくする検査や必要な採血データの種類などを解説します。
まず尿検査では、血尿の有無(赤血球)・白血球・細菌・結石成分の結晶などを確認します。血尿は尿路結石の重要な診断的所見です。白血球が多い場合は尿路感染の合併が疑われます。画像検査として、腹部単純X線(KUB)では不透過性結石(カルシウム含有)を確認でき、超音波検査(エコー)では水腎症の評価や腎臓・膀胱付近の結石が確認できます。確定診断には腹部CT(単純CT)が最も優れており、感度約97%・特異度約95%と非常に高く、結石の位置・大きさ・尿路閉塞の程度を正確に評価できます。
血液検査では、腎機能(BUN・クレアチニン・eGFR)の評価・感染・炎症の確認(WBC・CRP)・結石成分の評価(血清カルシウム・リン・尿酸)を行います。再発予防のためには24時間蓄尿による尿中成分分析(カルシウム・シュウ酸・クエン酸・尿酸など)も重要です。また、排出された結石があれば結石成分分析を行い、再発予防策の検討に役立てます。
尿路結石ってどんな治療をするの?
尿路結石の治療は様々です。今日は実習で覚えておいた方がいい治療を紹介します。
まず疼痛管理として、疝痛発作に対してはNSAIDs(ジクロフェナクナトリウムなど)の坐薬・注射が第一選択薬です。NSAIDs無効の場合はオピオイド(ペンタゾシンなど)が使用されます。抗けいれん薬(ブチルスコポラミン)も尿管攣縮の緩和に用いられます。
結石の大きさが4mm以下の場合は自然排石の可能性が高く、水分を多く摂りながら経過観察となります。α1遮断薬(シロドシン・タムスロシンなど)は尿管を弛緩させ、排石を促す効果があります(排石促進療法)。4mmを超える結石や自然排石が困難な場合は手術的治療が選択されます。体外衝撃波砕石術(ESWL)は体外から衝撃波を当てて結石を細かく砕く治療法で、麻酔不要・日帰り可能・体への負担が少ないことが特徴です。内視鏡的治療(TUL:経尿道的尿路結石砕石術)は尿道から内視鏡を挿入し、レーザーや空気衝撃波で結石を破砕・摘出する方法です。感染を伴う閉塞性尿路結石には緊急のドレナージ(尿管ステント留置・腎瘻造設)が必要です。看護では輸液管理・疼痛評価・排尿確認・水分摂取指導・結石の尿中採取(ガーゼやザルで濾す)が重要な役割です。
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